「相続税の計算」に関するお役立ち情報
相続税のみなし相続財産の種類
1 相続税のみなし相続財産とは
相続税のみなし相続財産とは、民法上遺産とは扱われない財産について、相続税を計算するうえでは、例外的に遺産として計算に含める財産のことを言います。
例えば、生命保険契約に基づく死亡保険金については、被相続人が支払った保険料と死亡保険金が同額でなく対価関係が認められないことから、受取人固有の財産として、原則として遺産に含まれないこととされています。
しかし、相続税を計算する時には、この死亡保険金も被相続人の遺産とみなして計算していくことになり、このような取り扱いがされている財産をまとめて「みなし相続財産」と呼称しています。
このような取り扱いがされているのは、生命保険を契約するだけで相続税を安くしてしまう事ができると、実質的に税金逃れができるようになってしまうためです。
2 みなし相続財産の種類
みなし相続財産として扱われる財産には、以下のような種類があります。
①生命保険契約に基づく死亡保険金
②死亡退職金
③生前に贈与を受けた財産
3 死亡退職金
死亡退職金も、受取人に対して支払われる固有の財産であり、被相続人が支払った金銭と対価関係にないことから、遺産分割の対象とはなりませんが、相続税法上は遺産とみなされます。
死亡退職金には、被相続人の勤務先から相続人に対して支払われる金銭やiDeCoや確定拠出年金によって支払われる死亡一時金等が該当します。
死亡退職金にも非課税枠が設けられており、「500万円×法定相続人の数」によって計算して得た金額分を遺産総額から控除することができます。
4 生前贈与
被相続人の生前に、被相続人から以下の要件を満たす贈与を受けていた場合には、贈与された財産は原則として遺産には含まれませんが、相続税法上はみなし相続財産として遺産に含まれます。
① 被相続人の死亡前3年間に行われた贈与
ただし、令和5年の税制改正にて「3年」は「7年」に変更されていますが、「令和6年1月1日以降」に行われた贈与から適用されることとなるため、実質的には令和9年1月1日以降の相続から影響が出てきます。
② 相続時精算課税制度を適用して行われた贈与
これらに該当する生前贈与を受けていた場合には、忘れずに税理士に情報共有を行うようにしましょう。