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夫婦の間の贈与

  • 文責:所長 税理士 長谷川睦
  • 最終更新日:2022年9月9日

1 夫婦の間でも贈与となることがある

法律上は、夫婦にはそれぞれの財産がありますので、片方からもう片方への財産の移動があった場合には、贈与として贈与税がかかることがあります

夫婦の間で財布は一つという意識をお持ちである方も多いでしょうから、夫婦間の財産の移動が贈与となってしまい、贈与税がかかってしまったという思わぬ事態とならないように注意してほしいと思います。

以下では、どのような場合に夫婦間での財産の移動に贈与税がかからないかを説明します。

2 生活費や医療費、教育費に対する支出

生活費や医療費、教育費などとして通常かかる費用については、贈与税がかからないものとされています。

これは、夫婦の片方が夫婦間の扶養義務を果たしただけであって、贈与をしたとは考えられないため、贈与税はかからないとの考えになります。

しかしここで注意してほしいのは、国税庁は贈与税とはならない範囲を「通常必要と認められるもの」と限定していることです。

これは、移転された財産があまりにも高額なものである場合や生活との関係が薄いものについては、扶養とは関係なく、贈与にあたると考えられることによると思われます。

3 基礎控除額の範囲内の贈与

贈与税には、年間110万円の基礎控除額が認められています。

したがって、夫婦間の贈与であっても、年間の金額が110万円を超えなければ贈与税はかかりません

4 おしどり贈与の特例

一定の条件を満たす夫婦間では、一定の財産の贈与について、贈与税の控除が認められており、「おしどり贈与の特例」と言われています。

条件としては、まず婚姻期間が20年以上の夫婦間である必要があります

次に、贈与された財産が居住用不動産か、居住用不動産を取得するための金銭である必要があります

その他の条件も満たしている場合には、贈与税の財産額の計算において2000万円までの控除が認められます。

この控除は一生に一度しか適用できないこと、贈与を受けた後も引き続き住み続ける予定であることが必要なことに注意してください。

この制度は、相続税の対策にも利用されることがあるものですが、一見、この制度を利用したことで相続税が低くなったように見えても、実際上のコストを考えた場合には費用の方が多くなってしまっているケースもありますから、利用をされる際には、しっかりと試算をしてほしいと思います。

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