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相続税申告の失敗事例

  • 文責:所長 税理士 長谷川睦
  • 最終更新日:2022年9月26日

1 法定相続人を誤った場合

相続税の申告において、法定相続人を誤ってしまうという失敗事例がしばしば生じています。

具体的には、相続人であるにも関わらず相続人でないと扱ってしまうことや、逆に、相続人でないにも関わらず相続人であると扱ってしまうというケースです。

特に、養子が絡むケースについて、このような誤りが生じやすいといえます。

たとえば、代襲相続といって、被相続人の子どもが、被相続人よりも先に亡くなっていれば、先に亡くなっている子どもの子(孫)が相続人になります。

では、養子が、被相続人よりも先に亡くなっている場合は代襲相続が生じるのでしょうか

その答えは、代襲相続が生じる場合と生じない場合があるというものです。

すなわち、被相続人と養子が養子縁組した後に生まれた養子の子には代襲相続が生じますが、養子縁組をする前に生まれていた養子の子には代襲相続が生じず、その子は相続人とはなりません。

法定相続人の数は、相続税の計算において基礎控除の額や相続税の計算において基礎となる情報ですので、注意してください。

なお、法定相続人に養子が含まれているとき、実子がいる場合には1人まで、実子がいない場合には2人までしか基礎控除額などの計算における法定相続人の数に加算できません。

また、相続放棄をした相続人を法定相続人に含めずに計算してしまうというのも、よくある誤りです。

2 名義財産の扱いを誤った場合

被相続人の財産として扱われるのは、被相続人名義の財産だけではありません。

たとえば、被相続人が子ども名義の預貯金の口座を管理しており、そこに将来子どもに渡す目的で自らの資金を入金していたということがしばしば行われています。

しかし、これらの財産は子どもの財産ではなく、被相続人の財産と扱われる可能性が高いです。

なぜなら、誰の財産であるかは実質で判断されますので、預貯金の原資が被相続人であり、子どもがその預貯金を管理できる状況になっていなければ、その子どもの財産となったとはいえないからです。

であるにもかかわらず、名義が被相続人ではなく、相続人であるというだけの理由で相続財産ではないとしてしまうのはリスクがありますので、注意しましょう。

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