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負担付死因贈与をした場合の相続税への影響
1 負担付死因贈与とは
⑴ 負担付贈与とは
そもそも、負担付贈与とは、何らかの負担が生じる代わりに無償で特定の財産の譲渡を受けることができる贈与方法のことをいいます。
具体的なイメージを挙げると、例えば家族間において、「家を贈与するから住宅ローンは支払ってほしい」「土地を贈与するから家を建てて同居してほしい」「預金を贈与するから将来的な介護などの面倒を見てほしい」などといった内容が考えられます。
⑵ 死因贈与とは
また、死因贈与とは、贈与を行う方(贈与者)が亡くなった際に、贈与を受ける方(受贈者)が無償で特定の財産の譲渡を受けることができる贈与方法のことをいいます。
具体的なイメージを挙げると、「自分が死んだら家をあげる」「自分が死んだら車をあげる」といった内容が考えられます。
⑶ 負担付死因贈与とは
負担付死因贈与とは、「負担付贈与」と「死因贈与」を混合させた贈与の方法であり、何らかの負担が生じる代わりに、贈与者が亡くなった際に無償で受贈者が特定の財産の譲渡を受けることができる贈与方法のことをいいます。
例えば、「死ぬまで自分の介護をしてくれたら、自分が死んだときに家をあげる」といった内容が考えられます。
負担付死因贈与は、受贈者が負担となる事項について履行をすると、贈与契約の撤回をすることができないという特徴がありますので、受贈者として確実に財産を取得することができるというメリットがあります。
2 負担付死因贈与をした場合の相続税への影響
通常の負担付贈与は贈与税の対象となりますが、負担付死因贈与は相続税の対象となります。
この点は、通常の相続の場合と違いがありません。
そして、不動産を負担付死因贈与で贈与した場合、登録免許税が固定資産評価額の2%、不動産取得税が固定資産評価額の3~4%かかります。
通常の相続の場合、法定相続人であれば登録免許税は固定資産評価額の0.4%で不動産取得税は非課税となっており、税負担としては負担付死因贈与の方が重くなってしまうというデメリットもあります。
負担付死因贈与を利用するか否かは、メリット・デメリットを考慮して慎重に検討した方がよいでしょう。